相続


遺産分割協議証明書とChatGPT


 今回は遺産分割協議証明書とChatGPTについて書いてみます。

 被相続人武田和夫が亡くなり、その妻 武田美子と長女 中野花子が遺産分割協議をして「武田和夫の全遺産を中野花子が取得する」という合意をしました。しかし、遺産分割協議書を作成する前に武田美子が亡くなってしまいました。

 当然のことですが、武田美子が亡くなってしまい遺産分割協議書を作成することはできません。

 幸いなことに中野花子さんは遺産分割協議の年月日を覚えておられました。

 そのため「令和2年8月15日に相続人全員による遺産分割協議をして、武田和夫の全遺産を中野花子が取得することを合意した。しかし遺産分割協議書を未作成のまま相続人武田花子は令和3年5月5日に死亡した。」という内容の遺産分割協議証明書を作成して相続手続きを完了しました。

 このような両親と子供一人という家族構成が日本で一般的になっていますので、今後も同じケースが出てくると考えられます。そして遺産分割協議を実施したら、速やかに協議書としてまとめておくことが重要と思います。

 また試しとして、ChatGPTという米国の会社が開発した人工知能に、上述のような遺産分割協議証明書で相続手続きができるかを問い合わせてみました。だいぶ困った回答内容であり、法的な専門家に相談することを強く勧めていました。良い回答です。我々専門家はまだまだ皆様のお役にたてるのだなあとも思いました。